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「東京オフィスビル市場の分析と展望」は、1997年第 I 期を皮切りに情勢判断のベースとなる四半期統計データをオフィスマーケットに関わる方々にご提供しているレポートで、今回は通算29回目の2004年第 I 期となります。
今期の分析ポイントは以下の通りです。
経済学の専門用語に「セイの法則」というのがあります。これは「供給が需要の大きさを決める」(供給は自ら需要を作り出す)という古典派経済学の理論で、「価格が需要にすばやく反応していく場合には、需要は供給に一致するように決まる。」ということです。
例えば、ここ数年のパソコンの爆発的な普及があります。メーカーは新機能・スペックの拡充を図ると共に製品価格を積極的に下げ、それによってユーザーの購買意欲をかきたて、製品が売れる。さらに、機能アップと共に製品価格を積極的に下げ・・・、という好循環にあります。
現在の首都圏の賃貸オフィス市場もこの「セイの法則」が当てはまるものと思われます。昨年は「 2003年問題」という流行語を生み出すほどの、ビックプロジェクトが大量に竣工しました。一方、貸主側がマーケットの軟化を先取りする形で、移転コストの吸収や柔軟な価格対応策を打ち出した結果、オフィスの統廃合需要が顕在化して大量成約に結びつきました。さらに、メガフロアと呼ばれる巨大なワンフロアや高スペックな大規模ビルが交通至便な都心部に大量に供給されることで、 賃貸オフィス市場全体が活性化しています。今後は、企業の業績回復主導の景気回復などもあり、供給に見合うだけの需要が、特にAクラスビルを中心に 見込まれるものと考えられます。
本書をビル事業にかかる経営指標として、また不動産投資判断の指標としても活用いただければ幸いです。 |