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分析と展望
分析と展望


「歴史的建造物保存の財源確保に関する提言」プロジェクト
主宰:株式会社オフィスビル総合研究所

◇プロジェクトの目的
 日本の近代化遺産として、都市の記憶継承を担う歴史的建造物の保存を目的として、その財源確保に関する研究・提言を目的とする。
<研究の対象とする課題>
  a.地震国における建物の安全性確保問題
  b.老朽化による保全、補修、維持費増大の問題
  c.敷地に与えられた、容積実現への不利益問題
 都市部の事業用途の歴史的建造物(社寺仏閣や住居、構築物、公共建築物などを除く)がいかに歴史的、文化的、建築的に価値があるといえども、床面積という経済価値を土台としているわけで、不動産資産としての活用を前提としている。そして、所有者が建て替えたほうが合理的と判断し、現行の法律に違反しない限り計画を止める手立てはない。このように、都市部における歴史的建造物の保存とその継承には、経済合理性を前提とした日本独自の仕組みを必要としている。
 地震対策のa.は、免震費用の公的な補助制度の整備が早急に望まれる。b.のコンバージョンは日本でも最近緒に就いたばかりの言葉だが、建築物を社会資本(ストック)として活用継続してゆく機運は高まってきた。オフィスや駅・ホテルなど最新機能を要する現役施設は、外観保存を主眼に置くことで、建物内部の機能更新をしながらのヨーロッパ的な継承法は可能かもしれない。当然、価値のある内部空間は残されるだろうし、新たな内装でも外観と調和の取れたインテリアになるはずだ。
 そこでc. が最大の課題として残るわけだが、すでに活用されはじめた容積移転の手法をもっと新しい発想で運用できないものか。未利用容積の売却(移転)などで、その不利益を補う選択肢が増える効果は絶大なものとなるはずである。
 文化財の保護は本来的に国及び地方自治体の財政負担による制度に期待したいところだが、それがますます危うい時代を迎えている。財政出動に代わる知恵と工夫でその実現性をめざしたい。
 その美しさゆえに愛され続けてきた日本の近代化遺産に、残された時間は少ない。

◇研究会メンバー構成
小澤英明 氏 (西村ときわ法律事務所 パートナー弁護士・NY州弁護士)
後藤 治 氏 (工学院大学 建築都市デザイン学科教授・建築史家)
田原幸夫 氏 (JR東日本建築設計事務所・建築家)
山本 忠 氏 (財団法人日本不動産研究所 研究部長)
本田広昭 (株式会社オフィスビル総合研究所 代表取締役)

◇運営方法
・毎月1回2時間程度の研究活動を実施します。(参加費・報酬なし)
◇研究成果のイメージ
・新書版「都市の記憶を失う前に〜建築保存待ったなし!」出版(08.05)
・容積率購入5%ルールの具体的な提言




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