| ◇研究の目的:
細かい契約行為を好まず、臨機応変な運用で乗り切る日本人・・・。かたや、細かい契約を積み重ねてその契約に沿って運用する西洋人。いわゆる自由な契約とは後者を指すのでしょうが、自由な契約を標榜する定期借家が登場してそれが可能となったのでしょうか?否、不自由な契約であるその証拠として、契約終了後の次の約束ができない、つまり最初の契約は終了してしまうことしか選択肢がないということ。「更新がない契約」として位置づけたために、再契約の予約は更新と同じで定期借家契約として成立しないなどの言いがかりを生んでしまっているように、明らかに立法上のミスと思われるのです。
不況下の強い借り手市場で法制化された定期借家は、建て替え予定建物や重い権利に対抗する店舗などの賃貸借として貸主側が契約の終了させるための目的にしか意味を成さなかった。しかし一転して、昨今の強い貸し手市場下では、契約終了という有無を言わさぬ賃料値上げの強力な武器となった点が憂慮すべき事態として浮上してきました。長期契約がなじまない日本社会において本来、借主はこの事態を想定して、最初の契約終了後についても、何らかの手を打つ必要があるのですが、その道がふさがれている。これは西洋式の自由な契約とは似ても似つかないことがお分かりいただけるはずです。
とはいっても、契約終了後の先のまたその先まで細かい約束事が本当に可能なのか、そして日本の社会においてそれが本当に機能するのでしょうか。まずは、オフィスビルなど事業用建物の賃貸借に絞り込んで、この課題に取り組むとともに、日本社会になじむ賃貸借はどうあるべきなのかについて、最終的な研究成果のテーマとしたいと思っています。日本人に向いた・・そのヒントは“自由というルールではなく、運用をよりスムーズにするためのルール(法律)をどのように組み込むのか”、たとえば、まず、居住用と事業用を分けて考えることや、老朽化の建て替えなど正当事由の具体的な運用ルールを決めることなどもその一つではないでしょうか。
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